偶然か。


それとも―― 


必然的形状か。


判断つかずにいた私は、その時…複数の人の気配を感じて、後方を振り返る。



そこには――


「あれ…自警団?」


白い制服の女達が数十人。


「何だそれは」


「詳しくは知らねえが…何でも俺がいるからどうのとか芹霞が言っていて。まさか俺に何か言いに集団で来たとか!? 仕方がねえ相手を…はああ!?」


驚きの声を発する煌を完全無視した白い服の女達は、その横を通り過ぎ…そして妙な節をつけて歌い出した。


『岸辺に沿って雲の波の破れ、ふたつなる太陽が湖の彼方に没し、陰翳が長く尾をひくは、カルコサの地』


能面のような顔でのその合唱は異様すぎて。



そして――



屋上から飛び降りた。