「潰したいなあ…」


周涅は目を細めて。


「生意気な奴らは、ぷちっと潰したいなあ……。まあ紫茉ちゃんは、殺しはしないけれどさ、妹だから」


話が…通じない?


「仲間だとか、友情だとか、愛情だとか。そういうの大嫌いなんだ、周涅ちゃん。そういうの見せ付けるなら…本気出すよ?」


ぞくり。

悪寒が背筋を駆け上る。



「守ろうなんて、馬鹿げたこと…しないでよね?」


そのタイミングで。


「見せ付けた順に、殺していくから」


ああ――


あの馬鹿ワンコ。



ぴくりと指を動かしたんだ。



幼馴染のあたしだから感じる、煌の生還。


飛びついて喜びたい。


だけど今は駄目だ。


周涅が動く。

久涅も動く。


だとしたら――


「じゃあ…あたし達に絶望感を味あわせたらいいじゃない」


あたしは煌の元に駆け寄り、微動する煌の顔を隠すように覆い被さった。