私は櫂様を守る立場で。


その為に私は生きてきた。

その為に強くなろうとして、緋狭様に弟子入りをした。


その結末が――

これだと?


どうすればいい?


武器は効かない。

私に紫堂の力はない。


身包み剥がされた状態で、私はどう櫂様を…芹霞さんを守れると!!?



「芹霞、動くな!! いいか、何があっても動くんじゃない!!!」


「やだッッ!!!

櫂、離れて!!! 

榊さんみたいになっちゃう、どいてッッ!!!」


だとしたらもう。


私に取れる手段は1つ。


私に残されているのが、この身1つというのなら。


「ああ、それで行こうぜ?」


その思いが伝染したのか、煌は薄く笑った。


煌も同じ結論に行き着いている。


そう、私達は櫂様を守る警護団なのだ。


何があっても櫂様をお守りするのが使命。


私は――

煌は――


櫂様と芹霞さんを守る為に、存在しているんだ。


だから――


「!!!

まさか…煌、桜!!! 

――来るな!!!」


私達の気配から悟ったらしい、櫂様の荒げられた声。


私達は何があろうとも、2人を守る為に。


櫂様達に覆い被さるように、私達は――




バリバリバリ。




突如――

そんな…音がして。



何か小さな物体の群れが、宙で青白く発光し…

真っ黒に焦げ付いたように地面に落ち、山となった。