恭子は、五時きっかりに、なまりの鈴のドアを押し、はやる気持ちを抑えな がら店内を見渡した。瞬間、恭子の顔は、期待を無残に打ち砕かれ恐怖に引き つる。 そこには、圭の代わりに華代がいた。これまで見たことのない氷のような冷 たい眼差しからは、恭子に対する怒り、蔑み、嫌悪、ジェラシーといった憎悪 の集約がまざまざと読みとられ、華代が全てを承知していることを察知した。 観念した恭子は、ふらふらと夢遊病者のように華代の前に座っていた。 「ここじゃまずいわ。外に出ましょう」