「大丈夫? 
 
 溺れかけたんでしょ?」

「うん、陵が助けてくれたんだ。

 あと...」

「ん?」

「記憶...戻ったんだ」

「それは...本当?」

「...うん」

「よか...った」

お母さんは、運転しながら涙を流し始めた。

それもそうだよね。

娘が、記憶を失くした...何て悲しかったよね。

隠れて泣いてるところも度々見てたし。

私も...戻って嬉しいもん。