あたしは、先生に話を聞いていくと、

名前は、山口美雨。あの人達は両親だった。

日に日に、傷は治っていくけど

心にある大きな穴は何をやっても埋まらなかった。

あと1ヶ月もしたら退院ができるそうだ。

「よかったね、美雨」

「うん。いつもありがとうね」

「何言ってんのよ。当たり前でしょ。

 あ...そうそう。今日は美雨の友達が来てくれたわよ」

「友達...?」


コンコンコン...


「どうぞ」


ガラガラガラ...


「美雨~~」

「美雨...大丈夫か?」

「秋穂?陵?」

あ...名前を何で知ってるかって?

それはね。

教えてもらったの。

お母さんに、

『この子は天音秋穂ちゃんで、

 こっちの子が安念陵くん』って。

「元気だった?」

「うん、大丈夫!」

「あんまり無理してないか?」

「してないよ。心配症だな~。陵は」

「な...///」

「あ~。赤くなってる~」

「ほんとだ~~。可愛い~」

「うるせーなー。黙ってろよな!!」

「恥ずかしがってる~~」

「もー。天音、黙れ!!」



こんなやりとりしてたのかな?

あたしも...

秋穂や陵は、明るく振舞っていたけど

笑顔はどこか悲しそうだった。