切なき恋



ピピピピッ____________




「んっ・・・・・・」




夢、か・・・




堅吾は幼稚園の時におじさんの転勤で何処かに行ってしまった。




所詮(しょせん)幼稚園の頃にした約束なんてとても儚(はかな)いものだった。





この夢がこれからおきる前触れだとも気付かず、ベッドから出て、出掛ける準備を始めた。






ガチャ___



「行ってきます」



って言ってもこの家には私だけだから返事は返ってこない。



だが、この習慣が全く抜けない。



お父さんの転勤が決まり、両親は海外にいる。



私は無理言ってここに残らせてもらった。



後一年で卒業なのに転校なんて嫌でしょ?


物凄く反対されたけどね。




連休の日はたまに帰ってきてくれる。



だから寂しくはない。