夏蓮side



「ここの訳がこうなるわけだから、答えはこうなるわけ」


「なるほど・・・・・」



さ、勉強勉強。といざ勉強してみると私より堅吾の方が頭が良かったりする。



危機感は堅吾より私が持った方がいいかもしれない。



堅固に勉強を教えてもらいながらも、先程から気になっていることが頭の大半を占めている。



先程、堅吾が部屋に入った時のあの反応。



『変わってねぇな』



あの台詞。



記憶のどこかで私の部屋を覚えていたの?



うんん、部屋だけじゃない。



家だって・・・・



『あれ、ここに紺色の一軒家なかった?』


私の家の隣の空き地を見て訪ねてきた。


『・・・・・・あったよ』


それは北村家が住んでいた一軒家。


引っ越して翌月、取り壊されたのだ。


小さい頃の私は、壊されていく家を見て泣きじゃくっていた。


堅吾達の家が壊される。

堅吾達が帰ってこれなくなる。と・・・・・