そう言って笑った私を見て看護婦さんも笑った。


「若いっていいわねぇ?」

「えへへ…♪」



照れたように笑うと、「褒めてないわよ。」って頭を叩かれた。
そんな他愛ない会話をしていると貴方の彼女が部屋の前を通った。
泣いてるみたいに見えて不思議に思って見つめていると看護婦さんも気づいて、「様子を見てくるわ。安静にしてるのよ?」と言って部屋から出ていった。



「どーしたんだろ?」



部屋から出て彼女が去って行ったほうを見ていた。
すると後ろから誰かが歩いてきた。



「はぁ…。めんどくせ。」


そんな声が聞こえて振り向けば貴方が面倒くさそうに歩いてきてた。



「あ…。」


「あ?…お前。」



ペコッと頭を下げてまた彼女が去って行ったほうを見た。

まぁ、関係ないや。
部屋戻ろ。

と足を部屋のほうに向けた。
ふと、時計を見ると5時を差していて、下の自販機にジュースが新しく入れられる時間帯だった。
ジュース買いに行こうと財布を持って部屋を出るとまだ貴方が立っていた。
少し不思議に思いながらまた頭を下げて歩き始めたら声をかけられた。



「お前…、ここに入院してるのか?」


「はい?」


「ここに入院してるのか?」


「そーですけど?」


「…そうか。」


「それより、彼女さん追いかけなくていいんですか?」



そう言った私を見て貴方はバツが悪そうな顔をした。



「あぁ。うん。別に。」


「そうですか。」


「財布持ってどこ行くんだ?」


「自販機ですけど?」


「…俺も行く。」



そう言うとスタスタとエレベーターのほうに歩いて行った。

なんで彼女を追いかけないの?

不思議でずっと貴方の顔を見ていたら貴方が気づいた。