こいつは、この女は、



「龍夜…会いたいよ。」



俺があの日見つけて、



「龍夜…寂しいよ。」



ずっと見続けてきた、



「龍夜…優しく抱き締めてよ。」



俺の人生最後の、



「龍夜…。」



最後で最期の、



「桜…。」



愛しい、スンゲー愛しいたった一人の俺だけの、


「龍夜?」



桜だ。



「遅くなってごめんな?」

「龍夜…!!」


「のわぁ!?」



桜が泣きながら抱きついてきた。



「あぶねぇよ?桜。」


「龍夜…。」


「うん?」


「龍夜…。」


「うん。」


「龍夜…。」


「うん。」


「龍夜…。」



まるで存在を確かめるかのように桜は俺の腕の中で名前を呼び続ける。

愛しい桜…。
俺だけの桜…。



「桜…。」


「ん?」


「夫婦になろう。幸せな夫婦に。」



優しくキスをして抱きしめた。



「もちろんだよ。世界一幸せな夫婦に。」



俺達は見つめあって、桜の木の下に立った。