もちろん、八野が席を立った後、その断末魔が聞こえるまで応接室を出た者はいない。 そして、コロも十二愛と同じ部屋にいた。 仮に、八野が二階へ上がる理由があったとして、なぜ彼女は階段から落ちたのだろうか。 足を滑らせただけだろうか。 どうして包丁がここにあるのだろうか。 そして包丁は、いつ誰が持ち去ったものなのか。 あるいは、八野が一人で行ったことだろうか。 だが、こんなにも不自然な自殺があるだろうか。 誰も答えを口にしないまま、時間だけが過ぎた。 白々と夜が明けた。