―――――――数ヵ月後。 「カエ」 あたしはその声に振り向く。 「…あ、あっくん」 そこには、笑顔の君が遠くから手を振っていた。 あたしは、走ってあっくんに近づいてく。 「早いねっ」 「ヒマだったんだもん」 そう言いながら、ぎゅっとあたしの手を握った。 その手の温かさに笑みが零れる。 「いこ」 「うん」 そう笑って返事をして、あたしもその温かい手を握り返した。 【完】