君の、瞳に。【短編】





「…あっくん」



座ってるあっくんの目の前まで来て、あたしはその場に座ると、震える声をおさえながらあっくんの名前を呼んだ。




ゆっくりと、あっくんの瞼が開いてく。




「カエだ」

「うっ…っ」



にこ。


少し見えた瞳と、少し笑った顔に余計に涙が溢れた。



その瞬間。


グイッとあっくんに抱きしめられた。





「…あ…っくん…」


いつも丸まっていたせいで小さく思えた胸の中は、
思ってたより大きくて、あたしがスッポリ埋まってしまう。





………好き。


すごく、好き…っ。



あたしは、どうしようもなく君が好きです。




「俺も」

「え」

「…俺も、カエが好き」




…っ。