君の、瞳に。【短編】





「鈴、どうしたの?

なんか変だよ…?」



あたしは、どうしていいか分からなくてそう尋ねる。


だって、いつも冷静なのに。


こんな慌ててる鈴…初めてみたよ…。




「…っごめん。な、なんか焦っちゃってっ。

だって、あのね…っ」


「うん…。
どうしたの、何でいきなり鈴の家に…っ?」

「……いるの」


そうポツリと呟いた鈴に首をかしげる。



いる?



誰が…?

何が…?



「…いる?
なんか、いるの?」


「…っいるの!!

だから…っ2階の奥の部屋に行ってっ。

いるからっ、だから」


「ちょっと待って。

誰がいるの…?」


「…あのね────」