「え?ここ、鈴の家だよね?」
目の前には、何度も遊びにきたことがある鈴の家。
…何で、いきなり?
「…入って!」
「え、おっおばさんとか…」
「いないからっ!早くっ!」
そう言う鈴にあたしは、わけが分からないまま鈴の家に入る。
…本当に、どうしたの?
何で、いきなりこんな…
「…あ、あたしビショビショだ」
雨の中を走ったせいで、あたしの身体中はビショビショになっていた。
ポタポタと服から、水がたれる。
…こんなんじゃ、上がれないよね。
「いいから、2階…っ!」
「え…でもさ、ビショビショだし」
「早く…っ」
そこには焦ったような顔をする鈴。

