「よしっ。じゃ、その人の特徴とか教えてっ」
「うん…っ」
少し落ち着きを戻したあたしは、鈴と向かいあってイスに腰かける。
いつの間にか、あたし達二人以外はもう教室内にいなかった。
あたし達の声と雨の音だけが、教室に響く。
「だいたい何歳くらいの人?」
「…高校生?あっ、でも年上だと思う…」
「じゃ、高2か3くらいか」
そう聞く鈴に、あたしはコクンと頷く。
「他には?
てか、分かること全部っ」
そう言って、鈴はメモをとるためかノートを広げ、シャーペンをカチカチと鳴らした。
「……えっと…、身長は普通より高いくらいで…、
…でも、小柄に見えて」
…や、小柄に見えるのは、いつも丸まってるからなのかもだけど。

