サアヤは苦笑しながらハーブティーを飲む。

確かにテレビではまるでセットのような、霊能力者の部屋がよく映し出される。

ああいうのも大切なのだが、普通の人から見れば異色に見えるのも仕方がない。

「今日はどうしたの? 何か聞いてほしいって話しだけど」

つい先日、サアヤから電話で連絡があった。

彼女は夏休みに、泊りがけのバイトに行ったらしい。

そこでちょっと困ったことになったので、話を聞いてほしいとのことだった。

なので今の時間は、サアヤの為に空けておいたのだ。

「ああ、うん…。実は、ね」

サアヤはカバンから、一冊のマンガ本を取り出した。

それは夏に出たことが予想できる、ホラー特集のマンガだった。

サアヤはページを捲り、わたしに差し出した。

「ホラ、このページに幽霊が出るってウワサの場所の特集が載っているでしょう?」

彼女の言う通り、そこには幽霊が出るとウワサの建物や場所のことが載っていた。

けれど流石に詳しい情報は載ってなくて、場所や建物の名前もアルファベットになっている。