「なら、…遠慮しないぞ」


そう言うと三柴さんは右手で私の頬に触れ、顔を近づけた。


また、触れる。



「ンっ―――!」


「今夜は我慢しようと思ってたのに、椿から煽ってくるとはな」


「…み、しばさ………」


すぐに離れた唇はそう囁く。
私が咎めるように名前を呼んだのにそれすら塞がれて、唇を舐める。



「名前で、…呼んで」