―――初めて“欲しい”と言えた。 …椿は私のものだ。 願わくば、これが夢なんかじゃなく現だと。 「…ん」 うたた寝でもしちゃったかな。 瞼を開けると知らない部屋にいて、一瞬戸惑ったけどすぐに思い出した。 ここは三柴さんのマンション―――… 「あっ!」 そこで三柴さんが寝込んでいたことを思い出した私は、慌てて寝室に向かおうとした。