―――まざまざと思い知らされた。 自分の心の奥底にこんな気持ちがあるのだと。 他人に好意を抱くことでこんな醜い感情が芽生えるのだと。 早歩きで階段を上ると、そこには屋上へのドアが見える。最近はずいぶん冷えてきたからここならしばらく誰にも邪魔をされないだろう。 そう思った私はドアノブに手をかけ、吹きっさらしの風が冷たい屋上に足を踏み入れた。 「………寒…」 壁に背中を預けてそう呟くと、妙に椿が恋しくなった。 自覚した感情は止まらない。 私は、椿に惹かれているのだと。