左腕一本で私をうまく絡め取り、閉じこめるように抱き締める。 まるで大切なものを包むように。 「そんなことを願ってはいけないことくらいはわかっている」 …どうして。 「私は、」 …どうして。 「………っ、救われたい」 ―――どうしてそんな苦しそうな声を出すのですか? 何があなたをそこまで追いつめるのですか? そう訊ねる前に、三柴専務は私を手放し眼帯をつけると部屋から出て行ってしまった。