「何も聞くな!!」
「バカめ、聞かずにいられるか!誰のピンなのよ!」
「うっせぇうっせぇ!!」
「開けなさいよっ!!」
無理矢理ドアを開けさせ、部屋に滑り込んだ。
「わっ!」
「げっ!」
その瞬間転びそうになった私の体に、晴人が手をのばした。
私を支えたのは、がっしりした腕と、厚い胸板――。
すぐに体を離した晴人は顔を背けて、ベッドにどかりと座った。
「晴人……」
「好きなヤツのだ。たまたま拾ったんだよ。返しそびれてる間に、壊した。それだけだ。文句あるか」
まだ何も聞いてないのに、晴人は2時間サスペンスドラマで追いつめられた犯人のように、自分から話しだした。
「それならそうと言えばいいのに。
態度だけで好きな子のモノですって、言ってるようなもんだよ。
いつの間にヘアピンはずすような仲になったのかと思ったじゃない」
「なんだよ、ヘアピンはずす仲って……」
「例えば……」
赤くなってうなだれる晴人を、からかってやりたくなって、ベッドに近づいた。
「キスしてもいいか?」
「はぁ!?お前、なに……」
「これ、邪魔だから外すぞ」



