「げっ!!」
メガネはニヤリと笑い、そこからボールを構え――。
音もなくジャンプし、シュートを放った。
その華麗なシュートは、完璧な弧を描き、ゴールに吸い込まれていった。
3ポイントシュート……!
逆転された――。
わああぁ、と、ギャラリーから歓声が上がった。
「クソッ……!」
残り2分。
「和樹、何でもいいから俺に回せ!」
「言われなくても、そうするよ!」
時間がない。
目の前には、3人がかりの鉄壁のディフェンス。
条件は最悪。
だけど、負けたくない。
2年からボールを取った和樹は、それを俺の頭上に放り投げた。
「よし!」
高さでは、誰にも負けねぇ。
床を蹴り宙に浮いた俺を、防げるやつはいなかった。
「行け!晴人!」
ボールを持って着地した衝撃で、ディフェンスに少し穴が開いた。
その隙を突き、ゴールを目指す。



