何があっても、この手は絶対、離さない。

うまくできるかは、わからないけど。

ずっと、この笑顔を守りたい。

いくつ、季節が変わっても。


初めてお前を知ったのは春だった。

気がつけば、もう同じ季節がすぐそこまで来てる。

苦しいくらい恋い焦がれた夏も。

唇の柔らかさを知りながら、手を離してしまった秋も。

妹に背中を押された冬も。

季節が変わるたびに、同じ日の事を思い出すんだろう。

ずっと、一緒に。

そして俺は、ずっとお前を守っていく。



「……彩花に感謝しなきゃならないか……」

「ふふ、彩ちゃんは私たちの恩人だね」


まだ少し雪が残る道路を、手を繋いで歩く。

こうして居られるのは、彩花とメガネが、無理矢理俺の背中を押してくれたおかげだ。

守るべきものがある事が、こんなに嬉しいなんて、知らなかった。


あとで、一言だけ礼を言おう。


ありがとう、と。