少し早く着いてしまったのでぼんやり待っていると、すぐ近くのゲーセンから、ガラの悪い男の子達が出てきた。
目を合わせないようにしていたのに、その子達は、どんどんこちらに近づいてきた。
「なぁ、一人?」
声をかけられてしまった……。
あんたたちの為に、気合い入れてお洒落したわけじゃないんだけど。
以前健先輩が大人っぽい方が好きと言っていたから、わざわざコンサバな格好をしてきたのに。
髪もちょっと巻いたら、すごく派手になってしまった。失敗した。
「人を待ってます」
なるべく控え目に答えた。
一人なら逃げちゃうけど、待ち合わせだしなぁ。
「えぇ、彼氏?」
「はい」
「何だよ、つまんねーな」
はい、あなた方を面白がらせる為に居るわけではございませんので。
「彼氏ほっといて、遊びに行こうぜ」
「いえ、結構です……あっ、先輩!」
ヤンキーの後ろに、時間通りにやってきた健先輩が見えて、途端に心が軽くなる。
先輩はにこりとして、こちらに歩み寄ってきた。
ヤンキー達はそちらをにらんで、すぐ顔を青くした。
「ま、ま、間宮先輩!」
「お疲れ様っす!」
そう口々に挨拶をする。
健先輩は顔を変え、冷たい目で彼等を見た。
「久しぶり。俺の彼女に何か用?」
わぁ。久しぶりの俺様バージョンだ。
コンタクトだと、余計に迫力あるなぁ。
「か、彼女さん?間宮先輩の彼女さんっすか!」
「どうりで綺麗だと思ったんすよ!あのちっせぇ女よりお似合いです!」
ちっせぇ女?
ヤンキーの言葉に、胸にモヤがかかる。
心当たりは、一人しかいない。
だけど健先輩は、ヤンキー達と思い出話をする気はないようだ。
「……だろ?この子に手出したらどうなるか、わかるよな?」
「は、はい!」
「すみませんでした!」
健先輩が冷たい声で言うと、ヤンキー達は走って逃げていった。



