「寒いですね、里美先輩」
「本当だね。そろそろ膝掛け持ってこなきゃ」
そんな会話をしていた、ある昼休み。
季節はもう11月になっていた。
いつまでも続くのかと思われた夏は急に去って、秋があるのか無いのかわからないまま、冬の気配を感じていた。
イジメは、相変わらず。
まぁ1ヶ月も経ってないから、当たり前だけど。
一人でいると、相変わらず絡まれたりするので、なるべく誰かといる。
今日はたまたま皆用事があったりしたので、生徒会室に来た。
ここなら他の生徒は来ないから。
そしたらたまたま里美先輩がいて、すっかり嬉しくなってしまった。
晴人とは進展は無くてもラブラブらしくて、里美先輩はどんどん綺麗になっていくような気がした。
「ねぇ先輩、この前はバイクでどこ行ったの?」
「海を見に行ったよ」
「はぁ、あいつ好きだもんね。てか、それしかないのかなぁ」
「ふふ、私は初めてだったから楽しかったよ」
「初めてと言えばさぁ……」
うん?と里美先輩は笑ったまま首をかしげた。
やっぱり可愛いなあ、この人。
可愛すぎて、からかいたくなってしまう。
「……先輩、晴人とまだしてませんよね?」
「っ!?」
突然の質問に、カフェオレを飲んでいた里美先輩はむせてしまった。
「な、何言い出すの……」
「晴人シャイだから、何も教えてくれないの。もしかして……もう……」
「し、してない!してないよっ!」
里美先輩は真っ赤になって、ぶんぶん首を横に振った。
「何で?」
「何でって……彩ちゃんは、恥ずかしくないの?私、ダメ、そんな話だけでも緊張しちゃって……ほんっとに、晴人くんには、申し訳ないけど……」
「へぇ、何度か迫られたんだぁ」
「ち、違う、そんな、何度も、迫られたり、して、な、うわぁぁぁ」
里美先輩は机に突っ伏してしまった。
な、なんてピュアなんだ、この小悪魔は。
誰に見られるかわからない駅で、チューしてるくせに。
「大丈夫だよ、先輩。私もしてない」
「えっ……そうなの?」



