さてと。自分の競技は終わったし、ちゃんと参加した事を里美も見ていたし。昼もすぎ、体育祭も終盤だ。
和樹とぼんやりしていると、知らない女が、話しかけてきた。
「武内くん」
「何だよ」
女が険しい顔をしているので、こちらも警戒してしまう。
胸のゼッケンには、『1-1』と、彩花と同じクラス番号があった。
「あたし、美奈子の友達なんだけど」
「あぁ?」
その名前を聞いて、そういえば里美に口止めするのを忘れていた事に気づく。
いや、口止めするならチャラ男の三井か。
「もうちょっと、気を使えないの?」
「あぁ?何が?」
女は俺におびえた顔をしながらも、抗議の声を出す。
「美奈子が武内くんを好きなの、知ってるでしょ?なのに何で、運動場の真ん中であの先輩といちゃつくかなぁ。見せつけるみたいに」
「……はぁ?」
意味がわからない。
いちゃついた覚えもないし、どうして本人じゃなくて、友達が来るんだ?



