「あ、すまん」
1つずつ手からピアスを取り、いつもの位置に戻していく。
「あの……手伝おうか?」
「あぁ?届かねぇだろ。良いから持ってろ」
別に里美の手を煩わせずとも、と思って言ったのに……「届かない」と言われた里美は、ぷぅと膨れてしまった。
「あぁ、わかった、わかったから」
ピアスの残りの2つを、里美に渡した。
「ほら」
手が届くように背を丸めてやると、里美は照れくさそうに微笑んで、ピアスを摘まんだ。
そして、俺の耳たぶにそれを装着する。
くすぐったくてかなわなかったが、なんとかこらえた。
ピアスを付け終え、次の競技が始まりそうな運動場の真ん中から、すみの日陰に移動する。
日陰に和樹とヒナが見えて、里美は手を振った。
「じゃああたし、生徒会に戻るね」
「そっか、お疲れさん」
里美が行ってしまい、俺だけを迎えた和樹とヒナは落胆した顔をした。
きっと、二人そろってからかうのを楽しみにしていたんだろう。そうはいくか。



