「げぇっ!!」
「あいつ、すげぇ!!」
そんな声がして体を起こすと、バーが落ちずにいるのを、発見した。
「やったー!!」
和樹とヒナ、そして里美がピョンピョン飛び上がる。
他からもパラパラと拍手が舞い、陸上部は悔しそうな顔をしていた。
「見たか、コラ!」
和樹達に向かって言うと、里美は赤い顔で必死にうなずいた。
くそ、可愛いじゃねぇか。
他の二人も笑顔で拍手をした。
しかし結局、次の175cmで二回失敗し、走り高跳びはあっさり幕を閉じた。
けど、一番には変わりねえ。うん、よくやったな、俺。
「晴人くん……」
一人になった俺に小さな声で話しかけてきたのは、やはり里美だ。
背後では、体育委員がさっさとマットをしまい始めていた。
「和樹達は?」
「先に行っちゃった。何か、気を使ってるみたい」
「いや、あいつらは面白がってるだけだ」
「そうなの?」
安心したように、里美は笑う。
「はい、お疲れさま」
そう言って、ピアスを差し出した。



