「健先輩、頑張れーっ!!」
目の前を走っていく健先輩に、全力で声援を送った。
そのまま駆け抜けて、ゴールインした先輩は、もちろん1着!
「よしっ!」
健先輩の勇姿を見届けると、いそいそと応援席を離れた。
日焼けしたくないし、ヒナに見つかって冷やかされる前にテントに戻ろう。そう思ってたのに。
「あーやかちゃん」
聞き覚えのある声に、呼び止められてしまった。
「……三井先輩……」
出た、疫病神。
「うわぁ、そんな嫌そうな顔しなくても……ショック」
「すいません、急いでるので」
三井先輩には悪いけど、もう倉庫に閉じ込められるのはごめんだ。
私は心を鬼にして、三井先輩に冷たくしようと決めていた。
しかし三井先輩は、くじけない。
「里美とアニキの事だけどさあ」
「!ちょっと!」
大きな声でそんな事を言うから、私は必死で止めた。
「ちょっと、こっちきてください」
「わぁ、彩花ちゃんたら大胆♪」
「バカ言わないで!」
私は三井先輩を、人気の無い体育館裏に連れていった。



