あっという間に、体育祭当日。
文化祭から体育祭まで1週間なんて、すごい学校だ。
お祭りは一気に終わらせてしまえという、意味らしい。
今回は体育委員がメインだから、私はそれほど忙しくない。
出る種目は一番地味な綱引きだしね。
文化祭で襲われて以来、私はなるべく目立たないようにしていた。
「彩ちゃん、次の500メートル走に、健くん出るよ」
得点の集計を手伝っていたら、里美先輩がテントに呼びに来てくれた。
「交代するから、行っておいでよ」
「はいっ。先輩、ありがとう!」
里美先輩はにこにこと私を見送る。
美奈子ちゃんと話せなくなった代わりに、里美先輩とはすごく仲良くなった。
私は走って、クラスの応援席の最前列をとった。
健先輩が、スタートラインについている。
うわぁ、ドキドキする……。
『位置について。用意』
パン!
「わぁ……!」
銃声とともに、健先輩は風のように走る!



