自分の状況は何ひとつ変わっていないのに、不安は消え、安心感に満たされていく。


そして……胸がしめつけられるような、気色悪い感覚がした。



「……多分、うまくいくな、あいつら」


「えっ、なに、何の話?」


あぁ、そうか。頭で起こってる事を話しても、わかるわけねぇよな。


「実は……彩花は俺の、双子の妹だ」


「……ええっ!?」



里美は心底驚いたのか、大きな目をますます大きくした。


「知らなかったのか」


「うん……。ホントに?全然似てないじゃない」


やはり、そう言われるよな。


「二卵性だからな。あいつは母親似、俺は父親似」


説明すると何故か、里美の表情は心なしか明るくなった気がする。


「そうだったの……。それで……」


「で、まあ相手の危険がわかったり、気持ちが伝わってきたりってことが、たまーにあるんだ」


里美の顔をちらりと見ると、珍しいものを見るように、ぽかんと口を開けていた。


俺は、自分が不用意な発言をした事にやっと気づく。