何も考えられなくなって、とにかく校舎を出ようと靴を履いて校庭まで歩いてきて、はたと気づいた。
俺、彩花の危険を感じて、あいつを探していたんじゃなかったか……?
「やべ……彩花!」
何やってんだ俺は!早く彩花の元に戻らねえと……。
しかし振り返った正面にいたのは、まったく歓迎できない人物たちだった。
「よお、この前は世話になったな」
前に海岸で喧嘩をしたやつらだ。
明らかにガラの悪いそいつらが俺を指名したせいで、近くに並んでいた模擬店の生徒たちがざわざわとしはじめる。
なんつうタイミングの悪い奴らだ!
「おお、気にすんな。じゃあな」
相手にしている暇はない。
華麗にスルーしようとすると、がしっと腕をつかまれてしまった。
「ふざけてんのか!礼もせずに行かせるわけねえだろ!」
つまり、この前の報復をするために、わざわざ文化祭まできて俺を探していたってわけか。
こいつらバカかよ……こんなに人がいるところで騒ぎを起こしたら、自分たちの立場が悪くなるだけだってのに。
「覚悟しろ!」
どうスルーしようか考えていたら、相手が急に殴りかかってきた。



