「残念ながら、バレバレだよ、晴人くん」


「っは、げほっ、ごほっ……」


「で、どーなったの?あの写真事件以来気になってんのに、彩花ちゃんも何も言わないしさぁ」


和樹がのんびりした口調で言いながら、ペットボトルの緑茶を差し出した。


それを飲んで、やっと息を整える。が、うまくいかない。


「な、な、な……何とも、なって、ねぇ……」


「はぁ?まだ告ってないわけ?」


「晴人くんって意外とヘタレなんだ」


「う、うっせぇ!!」


バレバレって、一体何がどこまでどうやって……。


色々聞きたい事はあったが、顔が熱くなってしまって、どうしようもない。


「うわ、赤くなった!可愛い~♪」


「ねぇねぇ、里美先輩のどこが好き?」


……こいつら、ただ俺をからかいにきただけだったんだな。


一瞬でもお前らを友達だと思った俺がバカだった。


「知らん知らん!」


「もぅ、照れてないで、早くビシッと決めて一発ヤっちゃえよ」


バキッ!!


和樹は俺の拳で、屋上のすみまでゴム人形のように飛んでいった。