「晴人、どっか行こう」
「あぁ?結局、何だったんだ?」
「いいから」
なんなんだ?和樹の態度がおかしい。まあ、中のものに興味はないからいいけど。
ザワザワしたその教室から離れようとした時、こんな声がした。
「ほら、藤井は一枚100円。武内は5枚セットで1000円」
武内?
自分の苗字が呼ばれたと思って足を止めると、和樹が焦ったような顔をした。
「だから星野は一枚100円だって」
「新川は?」
「新川は……新川もバラで、100円!」
「よし、三枚買った!」
「何で武内だけセットなんだよ。値段も倍だし」
「武内彩花は、今年の優勝候補だから。しかも隠し撮りで苦労したんだぜ」
完全に、足が止まった。
耳に入ってきたのは妹のフルネームと、里美の苗字だったから。
「晴人……」
和樹の呼ぶ声を無視し、俺はその輪の中に入っていった。



