どっちでもいい。早くこの空間から解放してほしい。
なるべく話しかけにくいように仏頂面をしていたのに、それでも美奈子は明るく話しかけてきた。
「晴人くん、ガードマンでしょ?彩花ちゃんに聞いたよ」
「……おう」
「生徒会だけじゃなく、女子バスも応援しててね」
「……おう」
短い返事をすると、美奈子はじゃあね、と笑いながら行ってしまった。
「はぁ……」
ため息が出る。
彩花の為に、一体いつまで我慢すりゃ良いんだ。
早く新しい相手、見つけてくんねぇかな。
「……何だアレ」
2年生の教室の前を通りかかったとき、ふと、和樹が足を止めた。
「どうした?」
「何か売ってるみたい。何だろう」
確かにその教室は男どもでワイワイにぎわっている。
女子が呆れた顔で、それを遠くから眺めていた。
文化祭当日でもないのに、何を売ってるんだろう。
和樹が興味津々で、その輪の中に入っていった。
俺はそれを遠くから見守る。
しばらくすると、和樹が血相を変えて戻ってきた。



