「おい、久しぶりだな」
海岸にいた俺に、道路の方から話しかける声がした。
字で見れば、久しぶりの再会を喜ぶ友人のセリフだが、実際はそうではなかった。
「チッ……」
めんどくさいヤツに会っちまった……。
話しかけてきた相手は、中学の時によく殴りあいの喧嘩をしたヤツだった。
ヤツは仲間を何人か連れている。
「何だ、武内。妹と同じ高校受かったって本当だったのか」
ヤツ等は県内で、どんなバカでも入れると有名な高校の制服を着ている。
黙ってにらむと、ニヤニヤしながらこちらへ近づいてきた。
タダでは帰らせないと言うように、ヤツ等は俺を取り囲み、ジリジリと距離をつめてくる。
「久しぶりに……やるか!」
最初に声をかけてきたヤツの言葉を合図に、相手は俺に攻撃をしかけてきた。
まず、一人がなぐりつけてくる。
それを避けると、もう一人が同じように襲ってきた。
「あぁもう、めんどくせぇ!!」
攻撃は最大の防御。そう言ったのは、誰だったか。
とにかく早く帰るには、やっちまえばいい。
学校にバレなきゃ良いんだ。
「どこ見てんだよ!」
なぐりつけてきた相手の拳をつかみ、そのまま握りつぶすように力を入れてやる。
「それはこっちのセリフだ!」
怯んだ相手に得意の頭突きをお見舞いしてやる。
ゴン!と額がぶつかりあう鈍い音がした。



