生徒会に立候補なんて、あの人に会うまで考えたこともなかった。
演説と選挙は1週間後。
だけど、1年の候補者はまだ2人しかいなかった。
どうしようかな。
少し迷う。
あの人に近づきたい。
それだけで、立候補なんかしていいものだろうか。
しかも、私には『ガラの悪い晴人と双子の兄妹』という弱点がある。
「ねぇ、晴人」
夕食の後、ぼんやりテレビを見ている晴人に話しかけてみた。
「?」
何かおかしくない?
テレビを見ているようだけど、目の前の空間をにらんでぼーっとしてるみたい。
「はーるーとぉー」
「ぬわっ!!」
後ろから抱きついてやると、晴人は驚きの声を上げた。
「なんだよ、いきなり!」
「どうしたの?ボーッとして」
「……ボーッと?俺が?」
なに?自分でわからないの?変なの。
でも、こんな晴人を昔に見た覚えもある気がする。いつだっけ……。