彩花も知らない、新川先輩と俺の秘密。
それがあるというだけで、優越感を覚えた。
ただ……新川先輩の代わりに俺が来るのだから、二人で会ったことがないというのが少し残念。
今日もミルクをやったら、帰るつもりだった。
「なんだ、飲まないのか?」
ミルクを差し出しても、ユキは口をつける気配がない。
この暑さで参っているのだろうか。
「……ほら、おいで」
俺が手招きすると、ユキは膝に乗ってきた。
元々猫は嫌いじゃないし、なついてくれれば可愛い。
「元気出せよ、な……」
頭を撫でてやると、ユキは嬉しそうに喉を鳴らした。
……彩花や、同じ中学だった連中が見たら、吐くかも知れないけど。
「良いんだ、俺の恋人なんだもんな、ユキ。俺にはお前だけだよ」
世話をしてるはずが、自分の方がユキに癒されている。
喧嘩を売って来たり、やたらに怖がったりしない。
ただ俺にすりよってくるユキが、可愛くてしょうがなかった。
そうしてポワンと癒されていると、突然、草を踏む音が近くでした。



