ガルドラ龍神伝―闇龍編―

「そうか……。でも、あなたが無事で何よりよ。さあ、早く葉龍女神にお祈りを捧げなさい」


ナンシーは、プレシオに命令するように言った。


プレシオは、日頃の葉龍族の人々の生活ぶりを葉龍女神に教えるつもりで、祈りを捧げる。


すると、祭壇の水晶玉が黄緑色に光った。


と同時に、ヒアの体も黄緑色の光に包まれる。


(え? もしかしてヒアって、四人目の龍戦士?)


リタがそう思っている間に、ヒアの体は、彼女達と同じ元の龍の姿に戻っていた。


彼女達の目に映る姿は、深い緑色の鬣、黄緑色の体、そして葉っぱの形や葉脈がある羽が揃ったものだった。


彼が自分の腕や足元を見ていると、水晶玉から女性の声がした。


『葉龍族のヒアですね?


あなた達の神殿内での行動や活躍、それぞれの気持ちの変化などを見させて頂きましたよ。


そして私はこの十七年間、あなたをずっと見守ってきました』


「あなたは、葉龍女神ルナですか?」


『そうですよ。それがどうかしましたか?』


「あの、俺を十七年間見守ってきたとは、どういう意味ですか?」


『それはあなたが吟遊詩人ディアトニスの息子として生まれ、九年間あの領国に幽閉され、そしてまたこの樹海に戻ってくるまでの過程を、見守り続けてきたということです。


そして私が見たところによれば、あなたは私の力を受け継ぐに相応しい魔族だということが、わかりました』


葉龍女神ルナの話を聴いているうちに、ヒアは少しずつではあるが、状況が飲み込めてきた。


(今俺にできることは、葉龍戦士として村のみんなを――そしてガルドラを魔の手から守り抜くことなんだ。


俺は決めた。


この村に残って、みんなを守るために力を使おう)


ヒアは葉龍女神ルナの言葉を完全には鵜呑みにしなかったが、それでも半分は事実だと受け止めていた。