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砂龍城での二日間。――


その第一日目は、地下神殿での冒険。


キア一味の魔道師の妨害もあった。


が、ヨゼフの頑張りで、魔道師を追い払うことができた。


神殿の中にはたくさんの仕掛けや罠があったけれど、それらも全て乗り越え、無事に砂龍神の所に辿り着く。


リタの努力が報われ、≪セイント・ウェポン≫と呼ばれる武器の一つ、≪デュラック・クロー≫を手に入れることができた。


第二日目。――


リタが九年ぶりに、フィブラス砂漠に帰ってきたことを祝福するパーティの準備。


そして、そのパーティの開催。


彼女は奴隷達が着ている薄汚れた服から、水色のフリルがついた青いドレスに着替える。


最も、髪型はポニーテールのままだったが。


(やっと、≪砂龍族の王女≫の風格を取り戻したよ。だけど、まずはこの痩せすぎた体をどうにかしないと。ドレスもぶかぶかだよ)


リタは鏡を見ながら、溜め息をつく。


その鏡に映し出される姿が、本来の龍の姿ではなく、北端の領国の領主の呪いによって変えられた姿だったからだ。


といっても、耳や羽、尻尾は本来の形で残っているが。


(この顔、この姿。ギルスやセルセインに、どう説明したら良いだろう。父上やジオには、予め説明してあるけど)


リタはまた、溜め息をつく。


その時、近衛兵のセルセインが心配して彼女の部屋に入ってきた。


最も、それは偶然見かけたのではなく、彼女が溜め息をついている、ということを門番から聞いたからだ。


「セルセインか……。何か用かい?」


「『何か用かい?』ではありません。私はあなたのことを、心配して差し上げているのですよ」


セルセインは顔を曇らせて言った。


リタは彼女に謝った。


「ごめん。謝るから、落ち着いてよ。それで?」


「ディフレンから、あなたが溜め息をついていらっしゃるので慰めてあげて下さい、と伝言を預かったから来てみたのです。殿下、何か悩み事を抱えていらっしゃるのですか?」