「まっさか、そんな石ころで?」

 小瓶に入れられた濃いグレーの石は2㎝ほどの楕円形で、振ると軽い音を立てた。

「隕石は宇宙からの飛来物だ。何かしらの電磁波を放っていて、学校の地場と共鳴している可能性もある。そう考えれば、俺が君に引き寄せられるように飛んでしまう理由も合点がいく」

「そんなコトより」

「おいおい、そんな事よりとはなんだ。原因がわかれば俺はこの先──」

「いいからさ、メガネ屋にいつ行くの」

「え? ああ……今度の週末とか」

「じゃあ11時にうちに来て」

「あ、うん。……ってなんで」

「オレが選ぶから」

「はい?」

 少年の言葉に目を丸くした。

「姉ちゃんの好みのメガネ知ってるよ」

「お願いします」