バサッ………
「疲れた〜」
九条さんがベッドに入ってきた。
そりゃ考えてみたらこの部屋にベッドは1つしか無いよ。
疲れてたせいか頭が回らなかった。
「九条さん、
寝床まで一緒はまずいですよ。
僕はソファーで寝ますね」
とりあえずここから一刻も早く抜け出さないといろいろとまずい。
するするとベッドから身体を出していく。
しかし、
半分くらい抜けたら九条さんが僕の服の裾を掴んでいた。
「私は気にしないって言ってるじゃない…
それにソファーで寝るのにも布団が無いでしょ」
正論に反論する余地を失ってしまった。
確かにこの時期に布団も被らずソファーでなんて寝たら身体を壊すのは必至だ。
「葵は少し遠慮しすぎよ。
もう少し素直に生きてもばちは当たらないと思うわ」
言い終えると僕をベッドに引きずりこんだ。
「私に弟がいたらこんな感じなのかしら………??
まあ今は葵さえいてくれば何もいらないわね………
おやすみ………
葵………」
九条さんはそのまま僕を自分の胸に抱きいれ眠ってしまった。
すると僕も眠気がさしてきた。
緊張で喉がカラカラだけど、
それでも九条さんといると何か落ち着く気がする…
何故か懐かしいような………
そんな感覚を覚えた………
そこで眠気の限界だった。
僕の意識は眠りの淵に落ちた。