「出来たぁ」 体育館に戻るとムアッとむさ苦しい熱気と同時に睦月の声が耳に届いた。 「良かったじゃん千咲!」 「やっと横回転成功したぁっ 未琴ちゃんのアドバイスのお陰だよっ」 サーブの話か。 そういや水無月は早いうちにサーブは上達してたな。 喜ぶ睦月を見て、胸が暖かくなった。 (やっぱ好きだなぁ) こうやって密かに思えるのが幸せなんだよな。 蝉の声と、卓球のボールのつく音が混ざった体育館で俺は思わず口角が上がった。