「やっぱ好きなんだよ!」 未琴ちゃんがバンと机を叩く。 「え?何が?」 「馬鹿、卯月だよ卯月!」 未琴ちゃんは一呼吸おいて、ハッキリ言った。 「やっぱ千咲は卯月が好きなんだよ!!」 「好……き、す…ハッ!!!」 目を見開いた。 時計は朝の7時を指していた。 「夢か……」 ジットリとかいていた汗を拭い、ベッドから起き上がる。 カーテンを開けると蒸し暑さ。 窓を開けると生温い風に蝉の声。 まだまだ夏だ。