「えっ…あぁ…」 友達に呼ばれて頬杖を止めた。 高校生になって一ヶ月弱。 教室から見える桜は緑に輝いている。 クラスに睦月と同じ名前の女子がいて、誰かがそいつを呼ぶ度に睦月を思い出していた。 「卯月ってボンヤリしてるよなー」 「謎なやつだよなw」 友達からよく言われる。 「うるせーよ、校庭行くぞ」 俺は少しズボンをあげて歩きだした。