――― おかしい。 「うん、良いね。じゃあこれ使おうか」 「……」 「おーい、呉羽さん?」 「うわ、あ、はいっ!すいません!」 資料を提出して、デスクに戻る。 今日の私は、おかしい。 明らかにおかしい。 「……はあ」 ちら、と編集長を見遣る。相変わらず……スズメというか、ツバメの巣のようなボサボサ頭とビン底眼鏡。 なのに、どうして輝いて見えるんだ。