…~♪ 遠くで着信音が聞こえる。 日が変わろうとしている夜中、うつらうつらとした中で優しいメロディが響いた。 「……往生際の悪い奴だな」 音楽が鳴り止んだ直後、忠見さんの低い声。 カチカチとボタンを操作する音も聞こえる。 …何をしているの? 勝手にわたしの携帯を操作しないで… 目だけ瞑って、耳の神経を忠見さんに集中させる。 背を向けたまま、彼の行動を音で伺った。