「…っでも…誠斗さん…っ」 目に涙を溜めながら、夕梨亜は俺の名を呼ぶ。 「俺はいい。もう十分もらった」 そう、俺はもう、一生分の幸せをもらった。 たった1年でも、365日毎日夕梨亜が隣にいた日々は、それは俺にとっての一生分と同じくらいのもの。 大事なものを手放してここに来てくれた夕梨亜を、今度は俺が手放す番。 「夕梨亜には、ちゃんと幸せになってほしい」 こんな言葉で心を押し殺して、最後まで格好つけて。