ここで夕梨亜と暮らし始めて1年。 「あ。おはよう、誠斗さん」 「おはよう」 愛しい夕梨亜のこの一言で、俺の毎日は始まる。 「今日は遅くなるの?」 「あぁ、少しな」 「そっか」 ごく普通の、夫婦の会話。 1年かけて、やっとここまでこれた。 …だけど時々考えてしまう。 ―――これでよかったのだろうか、と。